院内感染の発生原因と感染経路。意外な感染源とは?

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これまでは、インフルエンザの感染対策について紹介してきました。
手洗いマスク予防接種など有効に活用してください。

ところで、インフルエンザなど感染症に感染しやすい場所というと、どこを想像しますか?

一般的には人ごみなどの屋外、人が多く集まる施設、例えば「病院」などを想像されると思います。

もちろん、病院は病気を治療しに行くところであって、病気に感染したくないですね。

病院側も院内での不要な感染を防ぐため、様々な予防対策を取り努力をしていますが、
それでも、感染を完璧に制御することは難しく、不幸にも発生してしまうのが院内感染です。

今回からは院内感染について紹介していきます。

院内感染とは

院内感染とは

医療機関において患者が原疾患とは別に、新たに「り患」した感染症、及び医療従事者等が医療機関内において感染した感染症とされています。

○ 院内感染
「医療機関等における院内感染対策について」(平成23 年6月17 日付け医政指発0617 第1号
厚生労働省医政局指導課長通知)では、「院内感染」について、「医療機関において患者が原疾患とは別に新たにり患した感染症及び医療従事者等が医療機関内において感染した感染症」とされており、さらにその中でも特段の対応が求められる「アウトブレイク」について、「一例目の発見から4週間以内に、同一病棟において新規に同一菌種による感染症の発病症例が計3例以上特定された場合、あるいは、同一機関内で同一菌株と思われる感染症の発病症例(抗菌薬感受性パターンが類似した症例等)が計3例以上特定された場合」とされている。

平成25 年8月 総務省行政評価局
医療安全対策に関する行政評価・監視結果報告書より引用

 

院内感染は、病院や医療従事者にとって、多くの人命に関わる最も重大な問題です。
特に高齢者や小児、また免疫力の低下している患者は、感染してしまう事で死に至る事も少なくありません。
そのため、各病院では感染対策委員会などを設け、しっかりとした感染対策を取っています。

さらに、病院と言う密閉された空間においては、院内感染により集団感染が起こってしまった場合、病院を閉鎖しなければならなくなります。
病院へは、病気になったから行くのであって、治療を受ける病院で病気になることや院内感染などあってはなりません。

 

院内感染の発生原因と感染経路

院内感染の発生原因と感染経路はいくつかあります。

接触感染:保菌者の皮膚や粘膜などに触れたり、食器や衣類などに間接的に触れることで感染。
経口感染:病原体が手や食器などを介して口から侵入して感染。
飛沫感染:病原体が保菌者のクシャミ・咳などで飛ばされ感染。
空気感染:空気中に浮遊した病原体を吸い込むことで感染。
血液感染:針刺し事故や輸血、血液製剤から感染。

それぞれの対策も感染の経路・種類ごとにあり、病院側の対策によって万全を期して予防されています。
接触・経口・飛沫・空気感染は、手洗いマスクで大半を防ぐことが出来ます。
病院に受診やお見舞いに行かれる方は、前回の手洗いマスクの記事などを参考にされてください。

 

院内感染の発症元は不明なことがほとんど

院内感染は、主として入院患者の誰かが感染し、その病原菌が周囲の入院患者に感染し拡大していくことになります。
病院という閉鎖された中で感染が拡大していくため、いつ誰が最初の発症者かわからないことがほとんどです。

さらに、面会者や医療従事者自身が持っている細菌に伴い、細菌感染を拡大することも少なくありません。そのため、発症元をつきとめ、さらに拡大防止をしていくことが重要となります。

 

医療従事者が媒介者のことも・・・

医療従事者は日頃より予防接種など、万全の対策を取っており免疫力を高めていますので、
ウィルスに感染しても軽い風邪症状のみで収まる事が多く、自身が媒介者であると気づかない事もあります。

そのため、自ら感染者となっていても気が付かず看護を行ってしまっていることも少なくありません。医療従事者は自身の体調管理に十分気をつけ、体調の変化に早期に気づくことが重要となります。

 

院内感染の意外な感染源?!

病室

院内感染の感染源の中でもっとも注意すべきなのが、実は・・・「カーテン」です。

病室のカーテンは、感染源として要注意であるとして、日本環境感染学会からも報告もあります。

検討すべき病室環境
病室のカーテン
Acinetobacter spp.やMRSAなど、乾燥に強い微生物では、病室の患者ベッドの周りの仕切りカーテンが汚染されて病原体伝播源となる可能性がある。カーテンは、頻繁に患者、見舞客や病院清掃作業員の手を触れ、汚染した手袋を着用した人が触れる。一方で、カーテンに触れた後に手洗いを実行することはまずない。そのため、医療施設では、カーテンの清浄化も必要である[5]。 日本環境感染学会ポジショニングペーパーより抜粋

最近では、感染対策として抗菌・抗ウィルス機能のついたカーテンを採用している病院も増えてきました。ところが、病室などのカーテンは、特に汚れない限り年に2回ほどしか洗濯されません。

カーテンに付着した菌が寿命などで勝手に死滅してくれればいいのですが・・・

不要な感染から身を守るためにも、入院されている患者さん、お見舞いの方は、不必要にカーテンなどに触れないようにする事が望ましいです。

 

院内感染から身を守るために

徹底していただきたいこと2つ!

1 病院内ではマスク着用
2 患者に触れたり、病院内の備品に触れた際などに、手洗い・消毒の徹底

これだけでも、接触・経口・飛沫・空気感染を防げますし、他の人へ菌をばら撒かない対策にもなります。特に小児科・産婦人科・お年寄りの多い病棟などへ出向く際は徹底してください。

病院も不要な院内感染を防ぎ、安心して治療に来られる病院を目指して、
院内の清掃、危機の消毒、予防策の啓蒙など院内の環境改善に日々取り組まれておられます。

病院の院内感染対策への取り組みの度合いは病院内での「注意事項」の張り出し、空気清浄機の設置状況などから推測することが出来ます。

今度病院へ行くときは、お手洗いの中にある「手洗いの注意事項」や「空気清浄機の設置状況」などに注意してみてください。その病院の院内感染対策への取り組みの度合いがわかると思います。

正しい知識を持って、施設を利用する我々も予防に努め、院内感染を防ぎましょう。

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