
インフルエンザの対策3つめは「予防接種」です。
「予防接種を受けましょう」という標語をよく耳にしますが、ここではインフルエンザ予防に効果があると言われる予防接種について、ご紹介します。
インフルエンザワクチンって何?
予防接種とは毒性を弱めた病原体(ウイルスや細菌)や毒素を、前もって投与しておくことにより、
その病気に罹りにくくすることを「予防接種」といい、投与するものを「ワクチン」といいます。
毎年インフルエンザの時期の前に、日本では国立感染症研究所をはじめとするインフルエンザの専門家たちが、
国内の流行分析や世界中の最新情報を元にインフルエンザワクチン株を決定していて、2014-15年は3価と4価がありました。
3価はA型2種類+B型1種類、計3種類に対応、
4価はA型2種類+B型2種類、計4種類に対応したワクチンという意味で、それぞれお値段も変わります。
人間の体には、ウイルスに感染するとそのウイルスを排除しようとする「免疫」という機能があります。この免疫の作用により、ウイルスに対する「抗体」が作られ、同じウイルスに2度とかからないようにしてくれます。
これは人間の生まれながらに持っている防衛機能です。
インフルエンザワクチンを接種し、体内に微量のウイルスを取り入れることで、そのウイルスの抗体ができます。
その結果、インフルエンザにかからないようになる。という仕組みになっています。
「予防接種」とは、つまり「予防のために前もってウイルスの種に接することで免疫を作っておく」ということです。
インフルエンザ予防接種の効果
予防接種には2つの効果があります。
- インフルエンザにかかりにくくなる
- もし感染しても症状の悪化を防げる
あくまで「かかりにくくなる」のであり、100%かからないわけではありません。
特に最近流行しているA香港型(A-H3N2型)は、予防接種を受けても50%ほどの人は感染してしまうというデータがあります。
ただ、予防接種を受けることで、発病しても重症化しにくい(症状を和らげる)効果があるとされています。
インフルエンザ予防接種は本当に効果があるのか?
現在、「予防接種は効果がある」派と「効果がない、害である」派の2つの意見があります。
医者や看護師の方は「予防接種は効果があるので受ける」という方が多く、
生物学やウイルスを研究している方には「受けないほうが良い」という意見が見られます。
どちらの意見も賛否ありますが、予防接種はあくまでも任意ですので、両方の意見をよく知ったうえで判断することをおすすめします。
インフルエンザ予防接種の効果期間と接種回数
一般的には、インフルエンザワクチンを接種してから2週間経過後に効果が出始め、およそ4~5か月は
効果が持続するといわれていますが、インフルエンザ予防接種は2回打つと効果的という意見もあります。
以下に興味深い記事を見つけましたので紹介します。
まずは、グラフをごらん下さい。
仮に10月1日にワクチンを接種したとします。
これによりゼロであった免疫量(又は免疫力)が3の高さまで上昇します。これは1ヶ月前後で漸滅し、消失しますが(青線)、1の高さまで滅少した日に(仮に10月20日とします)、2度目のワクチンを接種します。
これによって1の高さから再び3の免疫がつくので、合計4まで免疫が上昇すると考えるのが妥当ですが(ピンク線)、実際はその様にはならず、はるかに高い10くらいの免疫力がつくことが知られています(黄線)。
この現象をブースト効果と呼び(免疫増幅効果)哺乳類の免疫機構にみられる特徴です。
インフルエンザワクチンに限らず、免疫獲得のためワクチンを2度接種する理由はここにあります。
1回だけの接種なら10月末にはせっかくの免疫もなくなりますが、ブースト効果で高い免疫をつけておけば、あとは自然落下にまかせたとしても数ヶ月高い免疫効果が持続するのです。
せっかく哺乳類が気の遠くなる程長い年月をかけて獲得したメカニズムを病気予防のため利用しない手はありません。さまざまの実験や観察から2度目のワクチンは4週間前後の間をおいて実施するとブースト効果は最大となることが知られており、又高い免疫効果が数ヶ月続くことが知られています。従って11月1日ごろ2回目の接種を行うと4月いっぱいまで高いインフルエンザ免疫を持ちつづけることができるのです。
引用元:シティクリニック様HPよりhttp://www.cityclinic.jp/graph.html
効果が長続きするに越したことはありませんが、1回で済ますか、念のため2回接種するかは、
かかりつけのお医者さんと相談されてください。
予防接種はどこで受ける?費用は?
予防接種は、内科や小児科、呼吸器科、耳鼻科または保健所でおこなっています。
特に耳鼻科は、患者さんが少なめで待ち時間もかからず、またインフルエンザ感染者の方があまり訪れないため、おすすめです。
受診前に電話で連絡して、予防接種の有無を確認してから予約するのがベストでしょう。
費用は病院によってまちまちですが一般的には2000円~5000円ほどかかります。
2015年より4価ワクチンに増えたため、500円程度の値上がりとなりました。
予防接種は「病気の治療」ではなく「予防」ですので、健康保険は適用されませんので10割負担となります。
いつから受けられる?
早い病院では10月くらいから予防接種を開始しています。
通常インフルエンザが流行し始める11月以降に接種される方が増えていきます。
昨年は例年よりも早く9月からインフルエンザの感染者が出始めていましたので、今年も早めに受診するのが良いかもしれません。
いかがでしょう。
インフルエンザ対策としては、罹患した際の重症化予防のためにも、受けないよりは受けたほうが良いと考えます。
今年も、もう少しでインフルエンザシーズンに入ります。
ご自身の健康の為にはもちろん、罹患して他の人に迷惑をかけるのを防ぐためにも、
手洗い、マスク、予防注射を活用してインフルエンザ感染対策を万全にしましょう。